音楽でストレスが和らぐ仕組み

音楽鑑賞を手軽にできるストレス解消法として日常生活に取り入れている人も多いでしょう。「音楽療法」というものがあるくらい、音楽は人間のストレスを和らげ、心を落ち着かせてくれる働きを持っています。しかし、なぜ音楽にそのような力があるのでしょうか。ポイントは「ゆらぎ」にあります。「ゆらぎ」とは、大きくなったり小さくなったり、弱くなったり強くなったりする連続的かつ一定ではない揺れのこと。人間の鼓動にも、川のせせらぎや虫の声にもゆらぎがあり、この波長が聴覚を通して脳に働きかけ、自律神経を調節して感情や情緒を安定させてくれるのです。自律神経が整うことで臓器や血液の流れも安定し、体全体が整います。そして音楽も、そんなゆらぎを内包しているのです。

ストレス解消にはクラシック音楽がベスト?

一昔前は、音楽鑑賞でストレス解消といえばクラシック音楽が当たり前でした。最近ではヒーリングミュージックなど癒やし効果を持つとされる音楽も人気を集めています。しかしこうした音楽だけがストレス解消効果を持っている訳ではありません。最近の研究では、あらゆる音楽はゆらぎを持っており、好きな曲を聴くだけで体の緊張が解け、体温が上昇するという報告がなされています。自分の今の気分と同じ曲調の音楽を聴く、自分の気持ちを代弁してくれている曲を聴くと「同質の原理」という心理効果が働き、より心を落ち着かせることができます。所謂「癒やし音楽」にこだわらず、これが聴きたいという自分の内なる声に従うのが一番良いのかもしれません。